知ると楽しい日本の行事

季節の移ろい感じる日本の行事をご紹介

卯月とは何月?読み方や意味 由来に別名・異名なども

 

 

卯月の読み方

卯月(うづき・うつき)と読みます。

旧暦の季節とか古くから伝えられている行事などに合わせた呼び方、和風月名(わふうげつめい)で4月の事です。

 

卯月の語源・由来

 

卯月の名前の由来は、ウヅキの花である「卯の花」が咲く季節でなので、「卯の花月」と呼ばれることから「卯月」となったという説が有力だそうです。

4月8日は、「卯月八日(うづきようか:4月8日)」といわれます。
寺院ではお釈迦(しゃか)様のお誕生日として「灌仏会(かんぶつえ)」という仏教行事が行われます。
一般的には、「花まつり」といわれていますね。
草花で屋根を飾った中に釈迦の像を立て、甘茶を注ぎかけます。
これはお釈迦様への信仰の表れだといわれています。

また、地方によっては、近くの高い山に登り、花を摘んで仏前に供えたり、シャクナゲツツジ卯の花などを竹竿の先に束ねて庭先や木の枝に高く掲げる花立てする行事がありました。

 

卯月の、別名・異名・異称

卯月には、別名・異名・異称がいくつかありますので挙げてみましょう。

 

鳥待月(とりまちづき)

和歌の世界では、初声を待ち焦がれられる鳥が二種類あったそうです。
それは鶯(うぐいす)と時鳥(ほととぎす)。
鶯(うぐいす)は、春を告げる鳥ですからみんなが心待ちにしていますね。
では、時鳥(ほととぎす)は?
その年最初の夜の鳴き声を「ホトトギスの初音」というそうで、これを聞くととても縁起がいいそうで初音(はつね)を心待ちにしていたんですね。

木の葉採月(このはとりづき)

木葉桑の葉をさし、昔は、各地に桑畑があり桑の葉の新芽が出る頃に、蚕に食べさせるための葉をとる月という意味です。

清和(せいわ)

空が晴れ、空気が澄んで清々しく、なごやかなことです。

夏初月(なつはづき)

夏の初めの月という意味です。

麦秋(ばくしゅう)

麦が小麦色に熟して刈り入れ時を迎える初夏、「秋」という字には成熟した穀物を収穫する時期という意味があるので、この時期の事を「麦秋(ばくしゅう)」と呼ばれたようです。

そのほかの別名・異称

乏月(ぼうげつ)

孟夏(もうか)

初夏(しょか)

新夏(しんか)

花残し月(はなのこしづき)

梅月(ばいげつ)

四月尽(しがつじん)

 

万葉集 卯月を詠んだ歌

 

 春されば、卯の花ぐたし、我が越えし、妹(いも)が垣間は、荒れにけるかも

万葉集

 

春がやってくると卯の花を傷めながら私が越えていった、あの娘が居た家の垣根は、今ではすっかり荒れ果ててしまいました。

 

梅の花、咲ける岡辺に、家居れば、乏しくもあらず、鴬の声

万葉集

 

梅の花が咲いている岡のあたりに住んでいると、鴬の声がよく聞こえます。

 

卯月を季語に使った俳句

 

溜池に 蛙闘ふ 卯月かな

夏目漱石

 

ため池にカエルが戦っている暖かな卯月の気候であることだ。

 

ぬぎかへて 衣に風吹く 卯月哉

正岡子規

 

春物から夏物へ脱ぎ変えた洋服に風が吹き込んでくる卯月であるよ。

 

 

卯月になると夏という言葉が多く出てくるんだね?

 

 

旧暦は、今の暦とずれがあるから今でいうと4月下旬から6月上旬頃ですね。
そうすると初夏ですから夏という言葉が多くなるんですね。